VOCARADIO#3
〜番組前〜
「うぇぇ……。」
「どしたのさ、真っ青な顔して。」
「昨日飲みすぎました……おぇぇ。」
「だからビール一本までにしておけって言ったじゃん。自業自得だよ。」
「あぅぅ。」
「もぉ、お酒臭いなぁ。キャベジンでも飲んでしゃきっとしてきなよ。」
「そぉします。」
「全く……。」
〜赤いゲスト〜
「三回目にして真面目なゲストが来るそうです。」
「おぉ、そうこなくちゃね!……で、どんな人?」
「赤くて。」
「ほぉ。」
「名前にMがつく。」
「ははぁ、あたしわかっちゃったよ?」
「鋭いですね。誰ですか?」
「MEIKOさんでしょ!」
「……さぁ。」
「あんたが答え知っていると思ったのに。あたし、馬鹿みたいじゃん。」
「私だってそのふたつしか教えられてませんよ?」
「えー誰なんだろ?」
〜ゲスト召喚〜
「気になるゲストさんにお越しいただきましょう。」
「どうぞ!!」
てれってってってー♪
「……。」
「……この音。」
「ドナルドです。」
「やっぱり。」
「ドナルドはおしゃべりが大好きなんだ。」
「あはは……いいんじゃないですか?喋らないゲストよりは。」
「みんなも一緒におしゃべりしようよ。」
「ボカロじゃないでしょ!!」
「でも最近、私たちみたく歌ってますよ?」
「あら〜!」
〜ゲストと会話〜
「ドナルドはね、お土産を持ってきたんだ。」
「おぉ、いいね。」
「わくわく。」
「これか?」
「これか?」
「こっちのほうがいいかな?」
「見事なハンバーガー詰め合わせ……。」
「ハッピーセット……。」
「ハンバーガーが四個分くらいかな?」
「嘘つくな!」
―なんだかんだで食べながら会話―
「やっぱり、変わらないおいしさ。」
「もちろんさぁ。」
「はぐはぐ。」
「ハク、ほっぺたにケチャップついてるよ。」
「あ、ありがとうございます。」
「ドナルドは今ダンスに夢中なんだ。」
「いきなりしゃべり始めますか……。」
「ネタをふる手間が省けていいじゃないですか。」
「自然に体が動いちゃうんだ!」
どすん!ばたん!
「きゃー!このスタジオ狭いんだから暴れないでよー!!」
「ドナルドは嬉しくなると『つい』やっちゃうんだ!」
「やめてくださいー!!」
「ふっ!ふぅっ!」
――二人で無理やり取り押さえて――
「ぜぇぜぇ……。」
「はぁ……はぁ……うぷっ。」
「吐かないでよね……は、く……おぇぷ。」
「食べてすぐ運動するのは危険ですね。」
「本当だね。」
てれってってってー♪
「もしもし、ドナルドです。」
「電話……かかってくるんですね……。」
「誰がかけるんだろう。」
「ぐりますとかじゃないですか?」
「あのバーバパパみたいな紫色のお化け?」
「あと、バーディとかですかね?」
「いたいたw」
「もう一人……白と黒の……ストライプのキャラクターがいた気がしますけど。」
「名前が出てこないんだよね……。」
「名前なんでしたっけ?」
「うぅ〜む。」
ぴっ。
「あ、電話終わったみたいですよ?」
「誰からの電話?」
「この本、前に読んだなぁ。」
「ごまかされたよぉ〜。」
「教えてくれてもいいじゃないですか〜。」
「らんらんるー!」
〜エンディング〜
「ものすごく疲れたよ……。」
「私もです……。」
「まだ、姿見の前でポーズ決めてるよ。」
「これか!これかぁ!?こっちのほうがいいかな!?」
「放っておきましょうか……。」
「そうしようよ。」
「らんらんるー。」
「ボーカロイドが来るって聞いてちょっとわくわくしてたのにね。」
「らんらんるー。」
「なんだか、残念です。」
「らんらんるー。」
「鏡音の二人とかにきてほしかったな。」
「らんらんるー。」
「ですねー。」
「らんらんるー。」
「こんどこそ、きてくれるーと信じておこうね。」
「らんらんるー。」
「そろそろおわるーみたいですしね。」
「らんらんるー。」
「もうこんな疲れる―ゲストは遠慮願いたいね。」
「らんらんるー。」
「らんらんるー。」
「らんらんるー。」
「らんらんるー☆」
「って何やらせる―!!」
「では、またの機会に。」
「ドナルドは君のことが大好きなんだ!」
「あんたの出番はもうないよ!」
〜収録後〜
「仕事終わりのお酒はおいしいです。」
「あたしはパス。飲めないもん。未成年だし。」
「あれ、ずっと同じ年だと思ってましたよ?」
「花も恥じらう17歳だよ。そう言うあんたは何歳なのさ。」
「21……です。」
「四っつも上だったのか……。」
「年下に敬語使って話してたんですね……。」
「一緒に暮らしてんのにお互いの年も知らないとは……。」
「でも、まぁ年齢わかったとこで何にも変わりませんけどね。」
「そだね。」